雑感

骨髄ドナーを知ってる人に伝えたいこと

「骨髄ドナー」ってご存じですか?

この言葉をどこかで聞いたことがある
という方は多いと思います。

じゃあどんなことをするの?

この質問には答えられない人も
また多いのを私は知っています。

なぜなら私も半年前まで言葉だけを
知っている人だったから。

そして今回何故骨髄ドナーのお話を
しようと思ったかというと、

高校時代の友人が
急性リンパ性白血病になり、

ドナー登録が自分にとって
とても身近な話題になったからです。

急性リンパ性白血病になった友人

今、私の友人は急性リンパ性白血病
という病と闘病中です。

彼は現在トキソプラズマ感染症にかかり、白血病の治療は一時中断中。闘病記を紹介しておきます。本人の了承済。お時間ある方は是非読んでみてください。

ALL闘病日記|のっぽさん|note

水泳の池江璃花子選手が目覚ましい
回復力でオリンピック選手に再選された
ことは記憶に新しいと思います。
彼女と同じ病気。

闘病中の彼は、高校時代の同級生。

当時彼はバスケットボール部で、
練習では毎日走り回っていて、
病気のイメージとはかけ離れていました。

娘が生まれた2年前、
共通の友人と家に遊びに来てくれて、
娘を抱っこしてくれました。
会ったのはそれが最後です。

それから1年以上が経ったある日、
ある友人から「〇〇のインスタ見た?」と連絡が入りました。

当時、インスタグラムをほとんど
見ていなかった私は、すぐに彼の
アカウントを確認しました。

人工呼吸器をつけた自分の写真つきで、
急性リンパ性白血病になったことを報告する投稿。

「え?嘘やろ」

最初は本当にこんな感じで、
どう頑張っても池江選手のそれを
聞いた時とは同じ反応ができません。

正直、画面の向こう側でしか
知らない人とは何十倍も何百倍も
受ける衝撃は違っていました。

それから数日間、
白血病について調べて調べて
調べまくりました。

その時に改めて知ったのが「骨髄ドナー」です。

骨髄ドナーとは何ぞや

そもそも骨髄ドナーとは

正常な血液を作ることができなくなってしまった患者さんに、健康な造血幹細胞を提供する人のことを指します。

骨髄移植については一部引用しておきます。

骨髄移植や末梢血幹細胞移植は、白血病や再生不良性貧血などの病気によって、 正常な造血が行われなくなってしまった患者さんの造血幹細胞を、 健康な方の造血幹細胞と入れ替える(実際はドナーから採取された造血幹細胞を点滴静注する)ことにより、 造血機能を回復させる治療法です。(参考:日本骨髄バンク | ドナー登録をお考えの方へ))

私は骨髄ドナーを知らなかった
というわけではありませんでした。

でも私が知っていたのは
「骨髄移植のためのドナー」
というただそれだけでした。

  • どんな病気をしている人の役に立つか
  • どうやって骨髄を移植するのか
  • そもそもドナーに選ばれるとどうなるか

一つも想像もしたことがありませんでした。
あまりにも無知すぎることに気が付きました。

骨髄ドナーに登録すると…

骨髄ドナーに登録するには
条件があります。以下、引用です。

  • 骨髄・末梢血幹細胞の提供の内容を十分に理解している方
  • 年齢が18歳以上、54歳以下で健康状態が良好な方
  • 体重が男性45kg以上/女性40kg以上の

(参考:日本骨髄バンク | ドナー登録について – ドナー登録できる方の条件 (jmdp.or.jp)

ドナー登録をしたあとに
登録者が行うべきことは、
住所や電話番号などの変更があった場合
変更手続きをすること。

それくらいです。
この手続きをしなかったために
せっかくの善意が無駄になることもあるそうです。

あとは必要なときに
呼び出されるような感じで、
登録したことさえも忘れてしまう人もいます。

その後、移植が必要な患者さんと
ドナー登録者の白血球の型(HLA)が
適合したとき、登録者にお知らせがきます。

日本骨髄バンクから
開始シートという、いわば
「あなたはドナー候補者です!」
という郵送物が送られてきます。

この時点でコーディネート開始。

この後の精密検査や健康診断で
問題なければ、基本的には
ドナー決定→晴れて移植手術へ
と進むこととなります。

以下、ドナーになれる条件です。
こちらも引用しておきます。

  1. 治療が必要な病気や感染症を持っていないこと。
  2. 悪性腫瘍(がん)(注1)・自己免疫疾患・心疾患・脳血管障害などの病歴を有していないこと。
  3. 妊娠・授乳中・出産後・流産・人工妊娠中絶後ではないこと(注2)。
  4. 過度の肥満がないこと。
  5. 極端に痩せていないこと。
  6. 血圧が高すぎたり、低すぎたりしないこと。
  7. 食事や薬で重いアレルギーを起こしたことがないこと。
  8. 輸血を受けたことがないこと。
  9. 全身麻酔の実施に支障となる身体的問題や家族歴(悪性高熱症)(注3)がないこと(骨髄ドナー)。
  10. 太い針を用いた採血の実施に支障となる身体的問題がないこと(末梢血幹細胞ドナー)。

また、これらに加え、提供に関して家族や支援者の理解が得られていることもドナーとなるための大切な条件の一つと考えられます。このような様々な条件は、医学的に造血幹細胞の提供を安全に行っていただくために必要と考えられるもので、ドナーとしての「適格性」と呼んでいます。

なお、ドナーとして適格とされる年齢については、日本骨髄バンクのドナーでは20歳以上、55歳以下と定められています(注:厳密には登録は18歳からで、コーディネート開始は20歳からとなります)。

(参考:2-1. ドナーの条件|一般社団法人日本造血・免疫細胞療法学会 (jshct.com)

移植手術まですんなり進むのかと思えば
実はそうでもないみたいなのです。

恥ずかしいことに、
これも私は全く知らなかったのです。

衝撃のパーセンテージ「5%」

ここで、私はまた衝撃的な数字を
目の当たりにしたのでした。

骨髄ドナーに登録するにあたって、
こんな研究データに目を通しました。
(少し古いです。)
過去10年間における骨髄バンクコーディネートの実態把握調査(平成28年調査)

私が衝撃を受けたポイントをサラッと以下にまとめました。

  • コーディネイト開始後移植まで進むケースは全体の5%
  • ドナー都合によるコーディネート終了は約半数
  • 「最終同意」の後にもドナー都合のキャンセルがある

骨髄移植が必要な患者さんがどういった
気持ちでドナーの登場を心待ちに
していたか、想像するだけでも、
なんだかモヤモヤする研究結果でした。

「提供する気がないのに
登録をするのはどうなんだ」
と思ってしまったのです。

これは池江さんの報道がされる前の
データなので、今同じ研究をすれば
幾分か違う結果を得られるのでは?
という声も聞こえそうです。

でも私はその点についてはやや懐疑的です。
(以下、個人の想い・見解です。)

当時の自分はどこか他人事のように
ニュースを見ていたからです。
同じような人がもっといるのではないかと思っています。

画面の向こう側の人のために
何か一つでも行動を起こせたのなら
それはとっても素敵だと思います。
私はできませんでした。

ただ、報道を見て、
何となく助けてあげたいという気持ちで
ドナー登録をする人が増えたとしたら。

例えマッチングしたとしても、
コーディネート⇒骨髄移植と
順調に進むケースの割合に関しては
下がってもおかしくないように思うのです。

こういう表現が適切か分かりませんが、
「質の良い登録者」がもっと増えれば、
きっと救える命はもっとあるんじゃないのかなと思います。

「天才だけでは、救えない。」

このキャッチコピーを見たり、
聞いたりしたことがある人も、
もしかしたらいるかもしれません。

7月1日より、
骨髄バンク支援キャンペーンとして
ACジャパンがテレビ・ラジオ・新聞・
ポスターなどで広告をしています。

CMはこちらから見ることができます。
2021年度支援キャンペーン:天才だけでは、救えない。|ACジャパン 

この広告には
ブラックジャックが登場します。

「たとえ天才外科医ブラックジャック
でもドナーがいなければ治せない病気が
ある」ということを訴えるものと
なっています。

以下、CMより引用です。

どんなに医療が進歩しても、どんなに医者が優れていても、ドナーがいなければ、治せない患者さんがいます。天才だけでは、救えない。だから、あなたが必要です。あなたのドナー登録が、患者さんの命を救う。

私の記事をここまで読んでいただければ
わかるように、残念ながら登録だけで
救える命はありません。

それでも1人の登録がきっかけで
生き延びる命は確かにあります。

ドナー家族になったら

私は友人の一件がきっかけで
ドナー登録をしました。

その子が移植を必要としたとき、
私の細胞が役に立つならくれてやる
という素直な気持ちでした。

もちろん事前情報にはついては
きちんと理解し、知ったうえでです。

仮にマッチングしたとしても、
患者さんとドナーは互いに知らされることはないです。

顔も名前も知らない相手の命を
物理的に救うことができるのは
骨髄ドナー以外に私は知りません。

先ほどご紹介した研究結果で
もう少し気になることがあるので書きます。
過去10年間における骨髄バンクコーディネートの実態把握調査(平成28年調査)

ドナーの家族の話です。

ドナー都合でコーディネートが終了する
ケースのうち、実は多くが家族の同意を
得られないという理由だそうです。

私自身、ドナー登録をするとき、
確かに移植のリスクなど細かいことに
関して、自分自身は理解をしていた
ものの、家族には伝えていませんでした。

一方で、移植が必要な患者さんの家族は、
もしかしたら患者さん以上にドナーが
見つかることを心から祈っているんじゃないかと思います。

小さい子どもで何が何だか分からない
うちに病気になって、親や周りの大人の
言う通り治療を受け、外の世界を
知らない子も私たちが知らないだけでたくさんいます。

お子さんがいる方であれば
わが子が苦しむ様子見たくないですよね。

誰の家族であるかによって、
骨髄移植に対して全く違うふうに意見をします。とても皮肉な話ですが。

ドナーになったときのことを想像してみる

私がもしコーディネートに進んだ場合、
私自身や周りの家族の反応が
どんなものになるのかを
想像してみたことが何度かあります。

私は時におせっかいすぎると
言われたりもします。

そしてそれはコーディネート開始した
後も変わらないんじゃないかなと思います。

骨髄提供がおせっかいでできることでは
ないと思いますが、きれいごと抜きに
して自分のしたことで誰かの大切な人が
1日でも長く生きられるなら、

そんなおせっかいは積極的にしたいと思うのです。

家族はリスクの説明を受けて、
もしかしたらやめてくれと言うかもしれません。

そうなったときには、
私はこう説得しようと思っています。

「私に骨髄移植が必要になった時のことを一度想像してみてほしい。」

一番伝えたかったこと「骨髄ドナーって知ってますか」

「どうか骨髄ドナーに登録よろしくお願いします」
「骨髄移植にはドナーにもリスクがあります」

私が伝えたいのはこんなことじゃありません。

患者さんを少しでも身近に感じてほしいんです。

骨髄ドナーを知っている方は、
これから何かのきっかけでドナー登録を
することがあるかもしれませんね。

その時に少しでも周りの人に骨髄ドナー
について、お話をしてみてほしいのです。

登録に際しては、重要事項や留意点を
きちんと説明してもらうことができます。

チャンス2021というパンフレットを
渡されますので、しっかり読めばリスクや
ドナー登録後についてきちんと理解を深めることが可能です。
(こちらからPDF版が読めます。https://www.jmdp.or.jp/reg/chance/chance_web.pdf

言葉の意味に加え、ドナーを本当に
必要とする患者さんが大勢いることや
コーディネートの現状を少しでも
知ってほしかったのです。

確かに登録者が多ければ
マッチング割合は高まるとは思いますが

安易な気持ちでなんとなく登録をする
のであれば、私はあまりドナー登録を
おすすめしたくありません。
(そういった方が最終的に移植まで進むとは思えないから。)

自分が登録をしようと思ったきっかけや、
骨髄移植がどんなものなのか、
自分が調べたことなどで構いません。

この記事を読んだのがきっかけになった
のであれば、シェアしてもらっても構いません。

一人でも多くの人が骨髄ドナー登録制度
について、一歩踏み込んで何かを知って
いただく機会になればなと思い、
書きました。

既に登録が済んでいる私にも、誰かに
伝えることは可能だということに
気づいて、拙いですが記事にしてみました。

今、骨髄ドナー登録〜骨髄移植において、
一番の問題点は、ドナー自身が骨髄提供を
身近に感じることができていないこと
なんじゃないかなと思うのです。

もし、あなたやあなたの家族が
患者さん側の立場になったら、
死に物狂いでいろんな情報を集めると思います。

そこまでしてほしいとは思いませんが、
この記事を読み、骨髄ドナーが少しでも
身近なことに感じてもらえたら
とても嬉しいと思います。

Dくん、早く治りますように^^!